<労働基準法・改正>
いうまでもなく、労働基準法は、これまで何度か改正を重ねてきていますが、ここでは、ごく最近の大きな改正を見ていきたいと思います。
◆ 平成15年7月4日に「労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)」が交付されました。施行は、平成16年1月1日からです。
この改正の目的は、
| a) |
労働者が多様な働きかたを主体的に選択できる可能性を拡大すること |
| b) |
労働者個々の働きかたに応じた適正な労働条件が確保され、トラブルの防止や解決に資するようにすること |
となっています。
また、有期労働契約の期間の見直しも行われました。さらに、解雇に関する基木的なルールの明記、あるいは裁量労働制の要件の見直しなどが行われました。
◆ 平成16年1月1日施行の改正労働基準法の内容は、大きく分けて次の3つの柱から成り立っています。
<1> 有期労働契約の期間に関する改正
有期労働契約の契約期間が、これまでは、原則、上限1年でしたが、上限3年になりました。
また、一部例外があり、上限3年だったものが、上限5年に延長されました。
<2> 解雇に関する改正
・ 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という条文が明記されました。これまでは、判例においてこうした考え方が取り入れられており、いわゆる解雇権濫用法理として通っていたものですが、これを明文化したわけです。
・ もしも労働者が解雇予告を受けた場合、その解雇の理由について、労働者が使用者に対して、証明書を請求することができることになりました。使用者はこれを拒絶することはできません。
・ 就業規則に「解雇の事由」をしっかりと文章で規定しなければならないことが明確にされました。あいまいな対応は許されなくなったのです。
・ 労働契約の際に、つまり、採用の際に、「解雇の事由」を書面で明示しなければならないことが明確にされました。この規定ができたのは、それほど、いわれなく不当な解雇がこのところまかり通っていたことの証拠です。
<3>裁量労働制に関する改正
・ 専門業務型裁量労働制の要件について、労使協定に、健康・福祉確保措置、苦情処理に関する措置等を、きちんと定めなければならないことになりました。これまではあいまいなままだったのです。
・ 企画業務型裁量労働制の要件が緩和されることになりました。以下の通りです。
a) 対象となる事業場を、本社などに限定しない
b) 労使委員会の決議要件を緩くする
(これまでの全員合意から、改正後は5分の4以上の賛成)
c) 労働者代表委員の信任手続きを廃止(簡略化へ)
d) 労使委員会の設置届を廃止する(簡略化へ)
e) 定期報告を簡素化し、報告事項を健康・福祉確保措置等に限定(簡略化)
(「 労働基準法・改正 」の記事 終わり )
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